こんにちは
皆さんは歯医者さんへは通われています?
あと、「歯周病」ありますと言われた経験ありますか?
私はありますが、10年も放置をしてしまっていました
先日久しぶりに歯科を受診した結果‥
今回、自分のこととして改めて勉強してみまして
歯周病を放置してはいけない理由を恥ずかしながら知りました
「歯周病が全身に影響する」と聞いたことありますか?
ここでは歯周病を放置している方や
歯周病に関してよく思われる疑問に
以下3つに絞って内科的目線で
質問に答えていきます
- 歯周病放置するとどうなるか
- 全身にどんな影響がある?
- どんな病気が歯周病と関連があるのか?
結論からお伝えします
- 歯を支えられなくなり歯が抜け落ちる
- 細菌が血管に入り全身の血管に悪さします。結果的には死亡率が高まります
- 心筋梗塞や脳梗塞(リスク1.25倍)、糖尿病(リスク1.2-1.3倍)、さらには腎臓(リスク3倍)にも影響があると言われています(カッコ内の数字は歯周病のない人と比べた発症リスクです)
✔️著者の経験
この記事を書いている私は、慢性腎臓病の患者様15年以上みていて、内科医、腎臓専門医と透析専門医として診療に当たっています
実際、歯周病と言われて、現在治療中です!
✔️この記事を読むことでわかること
歯周病と全身の内臓の病気につながるメカニズムがわかります
歯周病を放置してはいけない理由が納得できます
- 1歯周病を放置するとどうなるか
- 1-1| 歯周病とは?
- 1-2| 歯周病を悪くさせるリスク因子は何がある?
- 2歯周病と全身への影響とは?
- 2-1| 歯周病が全身へ及ぼすメカニズム
- 3どんな病気が歯周病と関連があるか?
- 3-1| 以下の病気のリスクが上がると言われています
- 3-2| 歯周病と心筋梗塞,脳梗塞の関係
- 3-3| 歯周病と慢性腎臓病の関連
- 3-3-1| 慢性腎臓病の方が歯周病になりやすい理由
- 3-3-2| 歯周病があると慢性腎臓病のリスクとなる理由
- 3-3-3| 歯周病と慢性腎臓病に関する論文
- 3-4| 歯周病と糖尿病の関連について
- 3-5| 歯周病と誤嚥性肺炎の関係
- 3-6| 歯周病と妊娠の関連性について
- まとめ
1歯周病を放置するとどうなるか
答え👉歯茎を支えている周りの組織や骨に炎症が広がり、
歯が最終的には抜けてしまいます
1-1| 歯周病とは?
歯と歯ぐきの間に細菌が繁殖する事によって引き起こされる炎症性の病気を指します
1-2| 歯周病を悪くさせるリスク因子は何がある?
①本人の生活習慣などからくるもの
- 歯磨きができていない
- タバコ
- ストレスが多い生活
- 歯並びが良くない
- 歯ぎしり、食いしばり
- 口呼吸
- 肥満
- 歯の数
②生まれながらにある要因
- 遺伝的要因
- 免疫機能の低下
- 唾液量が少ない
などが挙げられます
✔️私自身の歯周病の原因を考えると‥
恐らく、歯磨きができてなかったから‥かと考えてます
私のつい先日撮ったレントゲと歯周病評価ご覧ください
赤いのは磨き残しです笑
ひどいですよね‥💦
歯周ポケットも沢山ありました
歯科衛生士さんのご指導のおかげで
今は真面目に歯磨き始めております🪥
2歯周病と全身への影響とは?
歯周病はこんな言葉で言われてたそうです
Floss or Die!
つまり
フロスをするか死にますか?という意味
歯垢を取らないと、死に至るよというメッセージです
つまり歯周病放置すると命に関わる病気へとつながるのですが、
ここから説明していきます
2-1| 歯周病が全身へ及ぼすメカニズム
歯茎の周りの毛細血管から歯周病菌が
血管に侵入します
そして、全身の血管を障害していくからです
特に血管の壁に炎症が起こります
その結果、全身血管で動脈硬化を引き起こします
こんなイメージです(作成者 chat GPTさん)
体の炎症を測る数値にCRPという値があります
実際、歯周病があるとCRPが高くなるデータがあります
透析患者さんの例ですが、
歯周病が悪くなるほどCRPが上昇しています
縦軸にCRP価
横軸は右に行くほど歯周病の重症度上がります
右に行くほど、青いバーが長くなってます
死亡率も歯周病があると上がることがわかっています
3どんな病気が歯周病と関連があるか?
3-1| 以下の病気のリスクが上がると言われています
- 脳や心臓の血管の病気(脳梗塞、心筋梗塞)
- 慢性腎臓病
- 糖尿病を発症するリスク、糖尿病を悪くするリスク
- 認知症
- 誤嚥性肺炎
- 妊娠への悪影響
- 癌の影響があるかも?
驚くことに、腎臓から循環器、呼吸器、糖尿病といった色々な病気に
歯周病はリスク因子になることがわかっています
では、全身の病気が起こるメカニズムを説明します
3-2| 歯周病と心筋梗塞,脳梗塞の関係
歯茎の血管から歯周病菌が入る事で全身にまわり、全身の血管を痛めつけます
血管の内側のが障害をされて、徐々に狭くなっていきます
上の図は右に行くにつれて血管の内側が狭くなっていますこれがいわゆる【動脈硬化】です
心臓を栄養してる血管が痛んで狭くなる→狭心症になります
心臓を栄養してる血管がつまる→心筋梗塞を引き起こします
同じことが脳の血管にも起こります→脳梗塞になります
3-3| 歯周病と慢性腎臓病の関連
腎機能と口腔内環境が相関している!と報告があります
歯周病と腎臓が関連するメカニズムについて説明していきます
3-3-1| 慢性腎臓病の方が歯周病になりやすい理由
- 慢性腎臓病があると口の中が唾液量が減って乾燥します。すると細菌が増えやすくなります。
- 慢性腎臓病では体が酸性に傾気やすく、口のなかが酸性になり、細菌が増えやすい環境となります。
- 骨が脆くなりやすく、歯を支える顎の骨が弱ります。その結果、歯周病が悪化しやすいです。
3-3-2| 歯周病があると慢性腎臓病のリスクとなる理由
歯周病由来の細胞内毒素が尿蛋白を産生するのではないと言われています
そのほか、腎臓を繊維化(硬くする)させたり、
歯周病菌による炎症物質で血管に障害をもたらします
結果、腎機能は徐々に低下をしていきます
3-3-3| 歯周病と慢性腎臓病に関する論文
- 慢性腎臓病のステージが上がるごとに、口腔内の状態が悪くなっていた
- 歯周病のある人と、歯周病のない人を比べると慢性腎臓病になるリスクが3倍高かったとされています
- 上記と似た報告は他にもありました
Shiraishi A,et al.gerodontology 2021 : 38 :300-7
Zhao D,et al.J Periodonal Res ,53: 683-704,2018Kshirsaaar
AV et al.AM J kidney DIs,45:650-657,2005
ただし、日本腎臓学会では歯周病と慢性腎臓病の関連性の認知度が低いこともあり、明らかなエビデンスは示されてないと結論づけてます。
3-4| 歯周病と糖尿病の関連について
歯周病で慢性的な炎症が起こると血糖が上がりやすくなります
人の体では、血糖を下げるホルモンが膵臓から分泌されています
これがインスリンです
血糖が高い状況が続く結果、インスリンが常に出続けてしまいます
結果、インスリンを分泌し続けると膵臓は過労状態になります
更にインスリンの効きも悪くなります
結果、血糖値が高くなって糖尿病が引き起こされます
血糖値が高くなると、動脈硬化が進行します
そして脳梗塞や心筋梗塞のリスクもより高くなります
3-5| 歯周病と誤嚥性肺炎の関係
歯周病菌は血管の中に入れるだけではないです
呼吸器系に影響も起こします
高齢者は飲み込みの力が弱くなり、さらにむせ込みの反応も落ちてしまいます
すると、歯周病の菌は気管を通り
肺へ到達して肺炎になってしまいます
3-6| 歯周病と妊娠の関連性について
歯周病は早産や胎児発育不全などを引き起こすため、妊娠中は口腔ケアが大切です
妊娠中は唾液の分泌低下やつわりの時に歯磨きが十分にできなくなり、歯周病がより悪くなりやすいです。
歯周病により慢性的に炎症が起こり、血液を開始て、子宮や胎盤の機能や赤ちゃんにも悪影響が出ます
日本産婦人科学会のガイドラインに
記載されている内容です
歯周病を合併した妊娠では、早産、胎児発育不全や妊娠高血圧腎症のリスクと関連がある
✔️論文報告紹介します
①台湾の報告🇹🇼
台湾の国家医療記録(1999~2012年、1,757,774人の妊婦さんから出されたデータです
歯周病の重症度が高いほど早産のリスクが高いと報告されています
Ya-Ling, Lee et al,Scientific Reports (2022) 12:3297
②ルワンダの報告🇷🇼
歯周炎のある女性は、歯周炎のない女性に比べて早産児を出産する確率が 6 倍高くなった
Uwambaye et al. BMC Pregnancy and Childbirth (2021) 21:204
③対称的に歯周病と早産の関連性がないという報告もありました
✔️これは私の意見ですが‥
妊娠された際はぜひ歯科検査も受けて、歯周病予防に取り組む方がいいかと思います
まとめ
- 歯周病があると全身の病気に関連をし、最終的には死亡率を高めてしまいます
- 歯周病と思って放置をすると、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞、慢性腎臓病など多彩な疾患のリスクにつながる
- 歯周病が妊娠にも影響を及ぼし、早産や妊娠高血圧症などに関連してしまう
- 歯周病は死にいたる病につながるため、侮らず、日頃からの口腔内ケアを行いましょう
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