マジで続けられる腎機能を守る生活習慣まとめました

生活習慣

慢性腎臓病と診断を受けている方は現在最新データで5人に1人です

高齢化、肥満や運動不足により慢性腎臓病の患者さんは増えています。

健診で慢性腎臓病と診断を受けた方で、何もせず放置している方もいるかもしれません

腎臓の機能悪いと言われたけど、何をどうしたらいいの?

と、不安になる方は多いのではないでしょうか

今回、このような方向けに「マジで誰でもできる腎機能改善生活習慣」をテーマに

お話していきます

✔️今回、こんなの質問お持ちの方に読んでもらいたい内容です

  1. 自分の腎臓の機能が今後悪くなるのかどうか知りたい
  2. 慢性腎臓病は放っておくとどうなる?
  3. 慢性腎臓病を悪くしない生活習慣知りたいけど何したらいい?


✔️まず、結論からお伝えします

  1. 3大危険因子①蛋白尿がある、②生活習慣病がある(高血圧、糖尿病、コレステロールや中性脂肪の値が高い)、③喫煙習慣があると腎機能が悪くなります
  2. 放置しておくと、確実に加齢とともに腎機能は低下をします
  3. 毎日の血圧測定や風呂の温度の調整、睡眠不足の解消が腎機能を維持する鍵です

✔️この記事からわかること

慢性腎臓病と言われたが、自分の腎機能がどうなるか不安な方、まず生活習慣から見直したいが何をしたらいいかわからない方の悩みを解消することができまます

✔️この記事を書いている私について

この記事を書いている私は、慢性腎臓病の患者様15年以上みていて、腎臓専門医と透析専門医として診療に当たっています。現在は慢性腎臓病の患者さんの治療や腹膜透析の外来を行っています。

では本題に入っていきます




1,自分の腎臓の機能が今後悪くなるのかどうか知りたい

1-1| 腎機能が悪化するリスク因子 (あなたはいくつ該当しますか?)

□ 過去の健診で血尿や蛋白尿を指摘されたことがある

□ 高齢である(65歳以上)

□ 体質的な遺伝がある(血の繋がった兄弟や両親に腎臓病の人がいる)

□ 高血圧や糖尿病、脂質異常、高尿酸血症を言われている

□ 喫煙習慣がある

該当するものがある個数が多いほど腎機能が悪化しやすいです

該当があれば必ず病院を受診して腎機能や尿検査を受けましょう

1−2|生活習慣病から腎機能は悪くなる

現在、生活習慣病から慢性腎臓病を発症される方が急増中です

多くは、長年の高血圧、コレステロールや中性脂肪性の異常に伴うもの

これらは、生活習慣を改めることで、腎機能の低下は食い止めることも可能です

生活習慣とは特に食生活の改善が大切です!

1-3| 腎機能を悪くしないための基本な3つのポイント

1-3-1| 肥満を改善する

肥満があると蛋白尿が増え、腎機能へ影響を及ぼします

毎日、決まった時間の体重測定をしてみましょう👍

「測るだけダイエット」という言葉があるように、

測るだけで体重は不思議なことに減ります

測るだけでは痩せない!

と思うと思いますが、ちゃんと痩せます

理由は、体重の意識が普段から頭に記憶され、

心理学的に人間の行動に影響を与えるからです

1-3-2| 塩分を控える

日本人は塩分摂取の多い民族です

長年の食生活で塩分が多いものを美味しく感じるように味覚が形成されています

まず塩分減量でやれること紹介します

  • 食品表示の表をみて塩分が多いものを控える
  • 塩分が多いものを知る(例;加工食品・ラーメン・ファストフード)
  • 麺類は汁を残す
  • 塩に頼らす、薬味やだし、香辛料などをうまく使う

1-3-3 |長く続けられるお手軽運動を行う

適度な運動の効果をお伝えします

腎臓の濾過する機能をあげたり、、

  • 腎臓の血流を増やすので濾過の機能が上がり血液データ改善
  • 蛋白尿を減らす効果があります
  • 血圧を下げる効果があります
  • 睡眠の質が上がります(強いては透析予防につながる)

いきなり運動って言われても、運動不足で何もしたくない!

という方は多いと思います

もちろん、マラソンやガシガシ泳ぐをわけではないです

まずは誰でもできるウォーキングから始めてみましょう

歩く機会を増やすことから開始

それができたら、一日一万歩歩いてみる

と、徐々にレベルアップしてみましょう

ぜひ、外来で主治医の先生に「一万歩歩いています」と

伝えてみてください。頑張っているなと好印象になると思います

✔️私のプチ臨床経験談

腎機能を維持できている方の多くは、積極的にウォーキングをされている印象があります

「一日一万歩歩きました!」と報告してくださる方などは腎機能が悪くならない人が多いです

対して、「足が痛い」、「寒いからいやだ」など色々な理由をつけて歩かない方は、痩せない上に運動不足になり、だいたい腎機能も悪くなっていきます

2、慢性腎臓病は放っておくとどうなる?

答え;腎機能は徐々に悪くなっていきます。ゆくゆくは末期腎不全⇨透析や移植が必要になります

そのほかに、心臓の血管の病気、脳梗塞のリスクが上がり、死亡率も上がります

2-1 | 腎機能が悪くなるほど低下の速度は早まる


腎機能が悪い人ほど、腎機能の悪化スピードがはやくなることがわかっています

eGFRとはクレアチニン(腎機能を表す採血の数値)と年齢と性別からわかる、腎機能の指標です

正常を90-100とした時の腎機能を表した数値です

普段の採血で示されているのは『eGFR』です

eGFRとGFRはほぼ同等と思って下記のグラフをご覧ください

グリーンのラインの人は、40-49歳時点でeGFR60を切っています

この方は腎機能低下のスピードが急になってくるのがわかるでしょうか?

腎機能はそもそも加齢に伴い低下をしてしまいます

また、GFRが50mL/分/1.73m2未満の場合,GFR 60~70mL/分/1.73m2の場合に比して、2倍以上のスピードで腎機能が低下してしまいます

2-2| 慢性腎臓病は心臓や脳の病気につながる

腎臓は他の全身の臓器と密接に関係をしています

特に心臓と腎臓は密接に繋がっています。

腎臓病を放置すると、腎臓が悪くなるだけでなく、他の臓器の病気も発症リスク上がります

慢性腎臓病と関連する怖い疾患を2つを挙げます

  • 心筋梗塞・狭心症
  • 脳梗塞(女性に多い)

腎臓が悪くなるだけで他の臓器に影響が出るなんて納得できない

と思う方もいるでしょう

有名な久山町研究の結果を示してみます

CKDとは慢性腎臓病のことです

慢性腎臓病(ピンクのバー)に心臓の病気が多くなっています

女性は脳梗塞の発症も多くなっています。

腎臓は血圧、ミネラルのバランス、貧血の改善、骨のバランスを整えるなど全身に関わる仕事をしてくれています

ですので、腎臓が悪くなると心臓や脳へ影響が及びます

これを図に表しているのでご覧ください

2-3| あなたの心腎連関のバランスは大丈夫?

✔️あなたの心腎連関崩れてない!?

チェックポイント4つ

  • 最近靴がきつかなった
  • 指輪が抜けない
  • 目の周りがむくんでいると言われる
  • 体重が急に増えた(目安は2日で3キロ以上)

該当してる方は、早めにかかりつけの先生に相談を。レントゲンなど撮って心臓の状態もみてもらいましょう!

3、慢性腎臓病と言われたが何をしたらいいかわからない

そんなあなたに、マジで誰でもすぐにできる腎臓病予防3選を紹介

  1. 血圧を1日2回測定する
  2. ぬるいお風呂に入って、リラックス&血行改善!
  3. 尿蛋白を減らすにはよく眠ることが必須


それぞれ解説をします

  3-1| 血圧を1日2回測定をしてみましょう

私の外来に来ている方、全員に血圧測定をするようにお願いしています

1日2回(朝起きた時と寝る前)に測定をしてもらっています

理由は白衣高血圧の方がとても多いからです

病院で血圧が高くても、自宅では正常の方も見えますので、血圧測定は超大切です!

3-2| ステージごとで変わる血圧の目標値を確認してみましょう

あなたの目標血圧は、腎機能のステージによって変わります

ステージがわからない方はこちらをご覧ください

【糖尿病がある慢性腎臓病の方】

75歳未満75歳以上
ステージG1〜G5130/80未満150/90未満

【糖尿病がない慢性腎臓病の方】

ステージG1,G2とG 3-G5で血圧も目標値が若干変わります

高齢になると、血圧を下げすぎないことも大切です

蛋白尿75歳未満75歳以上
G1,G2(ー)
(+)
140/90未満
130/80未満
150/90未満
G3,G4,G5(ー)
(+)
140/90未満
130/80未満
150/90未満

血圧が高い方は下の内容が該当しませんか?

□塩分の多い食事をとっていないか?

□ストレスの多い生活をしていないか?

□程よく運動をしているか?(ウォーキングでまずはOK)

□睡眠はしっかり取れているか?

この機会に生活習慣の見直ししてみましょう!

 3-2| ぬるいお風呂に入って、リラックス&血行改善!

ただし、血圧変動に要注意!(血圧変動が腎機能を悪くしてしまいます)

3-2-1| 風呂温度

37-40度前後のお風呂に3−5分つかるのがベストです(長くて10分まで)

42度以上では血圧上昇を起こし、体が温まると急激に血圧が下がるヒートショックを起こします

また、長風呂も心臓へ負担がかかってしまいます

何より、入浴のメリットはリラックス効果があります

3-2-3| 寒い冬は脱衣所を温める

先ほども記載しましたが、ヒートショック予防に脱衣所を温めることは大切です

浴室と脱衣所の急激な気温差で、風呂場で倒れる方がとても多いです

3-2-4| 入浴中にマッサージや入浴剤を使う

マッサージは血流を改善する効果があります

入浴剤はリラックス効果があり、副交感神経を高め血圧を下げてくれます

3-3|  透析を予防するには5時間から8時間の睡眠が必須

3-3-1| 睡眠時間と透析リスクについて

睡眠時間が5時間未満でも8時間以上でも透析になるリスクが高いことがわかっています

赤い矢印が、透析リスクが高いグループになります(5時間未満と8時間以上)

参考文献Yamamoto R. Am J Kidney Dis Am J Kidney Dis 2012; 59: 343-355

そもそも、睡眠不足が続くと、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されます

血圧上昇や、血糖上昇、食欲増加が引き起こされてしまいます

3-3-2 | 睡眠負債が腎臓に影響を及ぼす

✔️最近の報告を紹介します

睡眠負債が多いほど蛋白尿リスクが上がることもわかっています

睡眠負債とは平日と休日の睡眠時間の差を表します

★腎臓を労るなら、睡眠負債は2時間以内にすることお勧めします

3-3-3 | よく眠るために今日からできること4選

□適度な運動をすること

□寝る2−3時間前に入浴をすること

□寝る直前のお酒やタバコはご法度

□昼間に活動をして夜眠るリズムを作りましょう

まとめ

  • 腎機能が悪くなる三大原因①蛋白尿が出ている②生活習慣病がある(高血圧、糖尿病、コレステロールや中性脂肪の値が高い)③喫煙習慣がある
  • 腎機能が悪い人ほど腎機能の低下スピードは早くなる
  • 慢性腎臓病があると心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高くなる
  • 腎機能を守るために、血圧測定や睡眠時間確保をまずやってみるのがおすすめ

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