慢性腎臓病と言われてから、食事に関して悩まれる方が多いと思います。よく患者さまから聞かれる質問を挙げます。
- 慢性腎臓病の食事ってどうしたらいいのかわからない
- 食べていけないもの知りたい
- お菓子食べたいけどいいのかなあ?
今回お話する内容は、上記のよく聞かれる質問にお答えします。
結論から申しますと、以下の通りです。
- 腎臓を守る食事は「減らす・控える」がポイント
- 腎臓病の方が食べるの控るべき食品9選
- お菓子を食べるときに気をつけるポイント3選
このブログを書いている私は、15年以上慢性腎臓病の患者様の診療にあったている、腎臓専門医&透析専門医です。よろしくお願いします。
このブログを読むことで、慢性腎臓病と診断を受けた方がよく直面する食事の悩みが少しでも解消されるはずです。
1腎臓を守る食事は「減らす・控える」がポイント
外来をしていると「何を食べていいかわからない」といった質問を患者様から聞きます。
結論は摂りすぎない=減らす・控えるの考え方が大切
食べてはいけないわけではなく、食べる量を意識して欲しいです。
気をつけるべき栄養素などは以下4つ
- 塩分
- 糖質
- 脂質
- 蛋白質(腎臓のステージや年齢で変わります)
- アルコール
食べられないのではなくて、摂りすぎないことを理解してください
1−①|塩分
塩分は1日6gまでとしてください。日本人は塩分を多く摂取しがちです。薄味に慣れることから始めましょう。
1−②|糖質
いわゆる、炭水化物(ご飯やパン)またお砂糖に含まれるものを指します。
ここで、まずあなたの1日のカロリー摂取量がどれだけか知る必要があります。計算式がありますので、スマホの電卓で計算してみましょう
標準体重から適正カロリー摂取を求めます。
身長(m)✖️身長(m)✖️22=標準体重(kg)
標準体重(kg)✖️25〜30(活動量)=1日の適正摂取可能カロリー(kcal)
活動量はデスクワークが多い方は25、日中動き回る仕事の方は30です。真ん中なら27くらいで計算をしてください
例 デスクワークが多い身長が160cmのAさん👧
1.6m✖️1.6m✖️22=56.32kg(標準体重)
56.32✖️25=1408kcal(1日の適正摂取カロリー)
糖質は適正摂取カロリーの50-65%と推奨をされています。(厚生省が推奨する三大栄養素の摂取量を参考にしています)
Aさん👧 の糖質約704g〜約915gまで可能と計算ができます
例えば、ご飯茶碗1杯が糖質35.6g、食パン8枚切りで1枚20.8gあります。ここから、どれくらい一食あたり食べていいかイメージできるといいです。
1−③|脂質
油もの、バターや菓子類、パンにも多く使われているものになります
脂質は適正カロリーの20-30%と推奨をされています
Aさん👧 の脂質約11g〜約17gまで可能と計算ができます
食品には何がどれだけ含まれているか【栄養成分表示】が記載されています。この表示を目安にする習慣も大切です。自分が摂取できる量がわかれば、摂りすぎない様に気をつけることが可能になります。
ちなみに、糖質は表記されていない時があります
糖質=炭水化物−食物繊維 から計算できます
1−④|蛋白質
肉や魚、卵が該当します
慢性腎臓病がある方で、蛋白質をどれだけ食べていいかは、腎臓のステージで変わります。また、高齢者は過度に蛋白質を控えることは逆に体力を落とすので主治医とよく相談をしてください。
ステージG3aの方の蛋白質1日摂取量 0.8-1.0g/kg/日
ステージG3b以降の蛋白質1日摂取量 0.6-0.8g/kg/日
上記の数値✖️標準体重から求めてください
お米にも蛋白が含まれていて、蛋白制限米(ゆめごはん®︎)を使用する方も見えます。
1−⑤|アルコール
アルコールは1日20gまでが推奨量です(日本腎臓学会のCKDガイドラインより)
アルコールが明らかに慢性腎臓病を悪化させるエビデンスはないですが、多くの方がアルコール摂取時におつまみが増えて塩分摂取が増えやすくなる点が懸念されます。
また、アルコール摂取で脳梗塞や脳出血の発症が増えるリスクは上がります。
アルコールの含まれる量を載せておきます
eヘルスネットより引用
2腎臓病の方が控えるべき食品【9選】
- 洋菓子・・・脂質、糖質とても多いです
- 菓子パン・・・洋菓子と同様
- ジュース・・・糖分が多いので水分はお茶かお水で
- 缶コーヒー・・・糖質が多いです。飲むならブラックで
- ハム・ソーセージ・ベーコン・・・塩分が多いです
- ファーストフード・・・カロリー、塩分、糖質、脂質全て多い
- インスタントフード・・・塩分が多くなりがち。食品表示を良く見ましょう
- ラーメン・・・塩分や脂が多いです。汁は美味しくても我慢を!(一口、二口にとどめてください)
- 脂身
3お菓子を食べるときに気をつけるポイント【3選】
疲れた時、何かどうしても甘いもの食べたくなることは誰でもありますよね。お菓子の食べ方について、一緒に働いている栄養士さんにも話を伺いました。
- どうしても食べたければ、一口、二口にしておく
- 摂りすぎはやめましょう(お皿に出し食べる分だけ分けるのがいいです)
- 好きなお菓子には何がどれだけ含まれているかを把握しておくのも大切
例えば、チョコレートなら低GIと言われる、糖質控えめのチョコレートがコンビニに出ています。そういうのを1個や2個でやめておくのがいいでしょう。
キッセイヘルスケア通販が腎臓病患者さん用のおやつをオンラインで販売をしています。一度ご覧ください。
慢性腎臓病の食事レシピ動画の紹介
キッセイヘルスケアがYouTubeで食事の献立や作り方の紹介動画もあるのでご参考にどうぞ
まとめ
- 慢性腎臓病の方の食事療法は「減らす・控える」が大切です
- ご自身がカロリーや糖質、脂質、塩分を1日どれだけ取れるかをまず知りましょう
- お菓子やアルコールはダメではないけど、量を気をつけましょう
個人的な意見として、継続が大切なので、週1回くらいは頑張った自分にご褒美の日を作るのもいいとは思います。
イベント事があるまでは頑張るとか、メリハリ大切ですね。
食事療法は継続をすることが大事です!
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