慢性腎臓病の運動しちゃいけないは古い。誰でもやれる運動方法伝授

生活習慣

慢性腎臓病あるけどどれくらい運動していいの?と

疑問持たれている方はいないでしょうか

むしろ、運動してはいけないと思ってる方がいるかもしれないですね。

今回はこんな方向けに以下の疑問に答えます

✔️このブログでとりあげる疑問

  1. 慢性腎臓病と言われたけど運動はしたほうがいい?安静にするべき?
  2. 慢性腎臓で行う運動はどんなことをしたらいい?
  3. 運動をする時間がないけどどうしたらいい?
  4. 運動はいきなりしていいのか?


✔️早速疑問の答えを示します

  1. 運動を行った方が腎機能にもいい効果あります
  2. 推奨する運動の種類は3つあります
  3. 隙間時間を作ること、習慣化させることがポイント
  4. 体の状態によっては運動ができない場合あるので、必ず主治医の意見を確認すること

✔️この記事を読むことでわかること

慢性腎臓病の方が日頃どのような運動をしたらいいかわかるようになります

 ✔️この記事を書いている私について

この記事を書いている私は、慢性腎臓病の患者様15年以上みていて、腎臓専門医と透析専門医として診療に当たっています。

現在は慢性腎臓病の患者さんの治療や腹膜透析の外来を行っています

早速、本題に入っていきましょう

1、慢性腎臓病と言われたけど運動はしたほうがいい?安静にするべき?

答え👉運動は行う方が良いです

20年前までは慢性腎臓病の人は安静にしている方がいいと言われていましたが、

現在は積極的な運動療法が推奨されています

腎臓リハビリテーションという言葉が最近できているほどです

1−1|運動でeGFRが改善した!?

2015年に以下のようなデータが出ています

有酸素運動と筋肉運動を組み合わせた運動療法を

週3回を1年間行ったところ・・・

運動を開始した1年後のeGFRの減少は

通常治療群(▲の実線)と比べ、

運動療法群(■の点線)では-3.8±2.8ml/分/1.73㎡と少なかったです

結論;運動をしているグループは若干腎機能が回復している傾向が見られました

参考文献;Greenwood SA, et al: Am J Kidney Dis 65 : 425-434, 2015.

1-2|  運動はなぜ腎臓にいいのか?

運動をすることにより糸球体(腎臓を作る尿を作る工場です。

詳しくはこちらをご覧ください)の毛細血管を広げてくれます。

毛細血管を広げる=圧を下げる(我々の呼び方)です

糸球体の圧が上がると、蛋白尿が増え糸球体1つ1つの負担が増えます。

運動はこの糸球体への圧を下げることで、負担を軽くする効果があります。

2,慢性腎臓で行う運動はどんなことをしたらいい?

答え👉ずばりやるべき運動3種類!

  • 体操
  • 筋力トレーニング
  • 有酸素運動(ウォーキング)

ここからは、腎臓のリハビリテーションで有名な

上月正博先生(東北大学名誉教授、山形保健医療大学理事長)の

提案されている運動をお伝えします

この方が上月正博先生 

腎臓リハビリテーションを提唱された先生です

腎臓の書籍も出されています

2−1|体操

体操といっても何やるの?となると思います

  • かかとの上げ下ろし
  • 足上げ
  • スクワット

この3つを紹介します

体操のポイントは「ひ・な・ま・つ・り」(これも上月先生が言われています)

日本日本腎臓リハビリテーション学会より

では一つづつ見ていきましょう

2-1-1| かかとの上げ下ろし

ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれる大切なポンプの役割を果たします

ここを鍛えることで、体の血液循環をよくすることができます

<やり方>

  1. 足は肩幅に、腰に手を当てる
  2. 5秒かけて踵を上げる(ツーっと言いながら)
  3. 5秒かけて踵を下ろす(同上)

<頻度>左右5−10回を1セットとして2−3セットをやりましょう

ポイント☝️信号待ち、電車に乗っている時間などこそっり運動しちゃいましょう

2-1-2| 足上げ

体の体幹とバランスを鍛える動作になります

<やり方>

  1. 動かない椅子の背もたれに手をおきます
  2. 外側の足を反動つけず、上がるとこまであげます
  3. 上げ切ったら、膝を直角に曲げます
  4. 再度膝を伸ばしたら、ゆっくりおろしていきます
  5. そのまま後ろにふりあげます
  6. 限界に来たら、最初の姿勢に戻ります 

<頻度>左右3回づつを1セットとして、2−3セットやりましょう

2-1-3| スクワット

お尻周りや太ももを鍛えることができ、体の安定性が増します!

<やり方>

  1. 肩幅に足を開く
  2. 5秒かけて中腰の姿勢になる(ツーっと言いながら)                    この時、膝が内側に入らないことと爪先より先に出ないことが大切
  3. 鼻から息を吸って、吐きながら起き上がりましょう

<頻度>3回1セットで2−3セット行いましょう

<ポイント>スクワットは間違ったやり方をすると

膝を痛める原因になります。

膝、爪先は正面を向けること、

膝を爪先より前に出さないこと意識してください

よりわかりやすい書籍を上月先生が出版されています↓↓

写真付きです

2-2| 筋力トレーニング

自分の家で、自分の体重を使ってできる筋力トレーニング運動を紹介します

こちらで紹介する筋力トレーニングは

  • 腕立て伏せ
  • ヒップリフト
  • レッグレイズ

下の絵を参考にどんな運動か一つづつまた見ていきましょう

引用:365カレッジ 国立大学発! 慢性腎臓病の病期にかかわらず有効と実証された [東北大式・腎臓トレーニング]で透析回避

2-2-1| 壁腕立て伏せ

<やり方>

  1. 壁に向かい足を肩幅に開き、壁から50−70cmほど離れます
  2. 肘をのばして、壁を押す姿勢をとります
  3. そのまま肘を曲げ伸ばしします
  4. を曲げるとき息を吸い、伸ばすときに「ツー」と言ってみましょう

<頻度>5回を1セットで2−3セット行いましょう

2-2-2| ヒップリフト

寝起きのルーティンにおすすめのトレーニングを紹介します

寝ながらやれる筋トレです

<やり方>

  1. 仰向けから両膝を曲げて山を作ります
  2. 5秒かけてお尻を上げていきます。この時「ツー」っと声を出しましょう
  3. 肩からお尻まで一直線になったら、5−10秒キープ
  4. 5秒かけて下ろしましょう


<頻度>3回を1セットとして2−3セット行いましょう

2-2-3| レッグレイズ

太ももを体に近づける運動です。腸腰筋と呼ばれる、上半身と下半身をつなぐインナーマッスルです。ここが弱ると転倒をしやすくなるので、トレーニングは大切です。

<やり方>

  1. 仰向けになります
  2. 5秒かけて両膝をゆっくり胸へ引き寄せます。この時「ツー」っと言いながらやりましょう
  3. 5秒かけてゆくり膝を伸ばして下ろしていきます
  4. 最後、足は床につけずキープしてから、ゆっくり床につけます


<頻度>5回を1セットとして2−3セット行いましょう

2-3| 有酸素運動(ウォーキング)

ウォーキングは有酸素運動の王様と言われています。

有酸素運動には血圧を下げたり、血糖値を改善するなどいいことづくめ。

また、腎臓に対しては、血管を柔らかくし、糸球体にかかる圧をさげてくれるので

活性酸素を減らす効果があります。

(活性酸素は血管や細胞の炎症や老化を進める作用があり,腎臓には天敵な存在です)

2-3-2|長期のウォーキングで死亡率低下が科学的に実証されています

台湾の研究でも同様の結果が出ていました

6323名の慢性腎臓病の患者さんを対象に行われた研究です

2年後の死亡者数と透析移行になった時期を評価しました

Aのグラフ(上段)

実線 歩いてない人グループ

点線 歩いている人のグループ

縦軸に開始時からの死亡した人の割合

横軸に年数

結論👉歩く人(点線)ほど同じ運動した年数で見ると

死亡率が大きく下がっています

Bのグラフ(下段)

実線 歩いてない人グループ

点線 歩いている人のグループ

縦軸は腎代替療法(透析や移植療法)が必要になった率

横軸は年数

結論👉歩く習慣がある人は腎代替療法が必要になる時期が遅くなっています

参考文献Clin J Am Soc Nephrol. 2014 May 15;9(7):1183–1189.

✔️私の外来をしている印象

ウォーキングをしている患者さんは腎臓の機能を少しでも悪くしたくないの意識が高い方が多いです

そのためもありますが、ウォーキングを日常的にしている方は腎機能低下が緩やかな印象があります

2−3−1|程よいウォーキングとは?

<頻度や回数>1回につき30−60分✖️週3−5回

<ポイント>

  • 目線は遠くを見て、下腹部に力を入れる
  • 歩幅はやや広め
  • 呼吸は乱れず、会話ができる程度の速めのペースで歩く
  • 一定のリズムを刻む(音楽聴きながらもいいです)

2–3-2| 外へ歩きに行けない時はどうする?

腿上げも運動がいい運動になります

ダイナミックフラミンゴ運動とも呼びます

下の右下にある図を見てやってみてください

<やり方>

  1. 動かない椅子に向かって足を開いて立ちます。
  2. 片足を床と水平になるまで腿を上げます
  3. そこで上下5回上げ下げします
  4. 向きを変えて反対の足も同じように行います


<頻度>左右5回を1セットとし、2−3セット行いましょう

もっと詳細に運動療法を知りたい方は書籍でご確認ください

2−4|運動をする上で注意すること

  • かかりつけ医に運動をしていいかを確認すること
  • ウォーキングは段階的に時間を増やしていくようにしましょう
  • 水分補給: 適切な水分摂取を心がけましょう
  • 継続することが大切なので、頑張りすぎないことも大切

3、運動をする時間がないがどうしたらいい?

上手に隙間時間や習慣化を作っていく!!

3-1| 時間の作り方伝授します

仕事がとても忙しくて運動の時間なんて作れない

と言われる方いると思います

時間がなければ作る!

隙間時間です。エレベーター待つ時間、電車まつ時間に爪先運動してみる

仕事の合間に腿上げ運動やるなど。

3−2|ランニング歴12年の私が運動の習慣化の秘訣教えます

私はランニングを趣味としていて、10年以上続けています

継続できている理由としては・・・

  • ランニング仲間がいること
  • 大会にエントリーして目標を常に作っている
  • 生活の一部になっている(習慣化している)

継続のお勧めは・・・

運動の日程を習慣化して生活の一部にすること

ウォーキング仲間を作る(近所の方、家族など)

アプリやSNSに記録を残していくと励みにもなりますね

3-3| トレーニング日程の例を教えちゃいます

月 体操+筋トレ

火 体操+ウォーキング

水 体操+ウォーキング+筋トレ

木 休み 

金 体操+筋トレ

土 体操+ウォーキング+筋トレ

日 休み 

一例ですので、参考程度で自分で調整してみてくださいね

ウォーキングの時間が作れない方は

仕事で電車を一駅手前で降りて歩くのもお勧めです

例のようにいきなり何日も運動ができない方は、

一日おきや週3回でもいいので、やる日を作ってみましょう

好きなテレビやyou tube見ながら筋トレや体操もお勧め

4、体の状態によっては運動をしてはいけない場合もある

以下に該当する方は運動をやめて、必ず主治医の意見を聴きましょう

  • 最高血圧が180mmHgを超えている方
  • BMI30(※BMIについてはこちらから)を超えている肥満のある方
  • 心臓の病気を指摘されている方→主治医にどんな運動が適しているか確認を
  • ネフローゼ症候群や急性糸球体腎炎があり、安静を指示されている方

補足;※BMIとは・・・

体重➗身長(m)➗身長(m)で求められます

まとめ

  • 慢性腎臓病の方は腎臓リハビリテーションと呼ばれる運動が推奨されています
  • 運動療法をしたグループは腎機能の低下が緩やかになり、死亡率低下や透析の時期が遅れるなどメリットばかりです
  • 運動の種類は体操、筋トレ、ウォーキングの3種類
  • 体の状態によっては運動が適さない場合があるので、主治医への確認を必ず行ってください

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