専門医が伝授!腎臓を悪くせずお酒を楽しむをコツまとめました

生活習慣

こんにちは

年末年始はお酒を飲む機会が増えるかと思います

慢性腎臓病の方にとってにとって、飲み会続きになるとこんなこと気になりませんか?

  1. お酒は腎臓を悪くするのか
  2. どれだけお酒は飲んでいいのか
  3. 飲み会は行っても大丈夫なのか?

この記事ではこれらの質問にお答えしていきます

✔️本記事の内容です

  1. アルコールが慢性腎臓病を悪化させるエビデンスはないが、飲み過ぎは注意!
  2. アルコールは1日20gまでが推奨量
  3. やめる必要はないが、飲みすぎない、食べすぎないが大切

✔️著者の経験

この記事を書いている私は、慢性腎臓病の患者様15年以上みていて、腎臓専門医と透析専門医として診療に当たっています。

✔️この記事を読むことでわかること

腎臓を労りながら、正しい知識を持ってアルコールを楽しく付き合っていくことができます。

アルコールが腎臓を悪化させるエビデンスはないが、飲み過ぎに注意!

アルコール自体が慢性腎臓病を悪くするエビデンスはないです

しかし、大量の飲酒を続けると腎臓を悪くすることはわかっています

1-1| なぜ飲みすぎるといけないか

大量の飲酒により起こる体への影響を示します

  • 利尿作用があり脱水になりやすい
  • 肝臓でのグルコースの産生が減り、低血糖に陥りやすい(糖尿病の治療中の方は特に注意)
  • おつまみで塩分が多くなり血圧が上がりやすい
  • 大量飲酒は脳出血やクモ膜下出血のリスクをあげる

結論👉大量の飲酒は血圧や血糖の変動を引き起こし腎機能の低下や脳の血管の病気などを起こします

なので、「ほろ酔い」がちょうどいいですね

1-2| 赤ワイン2杯は腎臓に良いってほんと?

意外に思われるかもしれませんが

赤ワインが2杯程度なら慢性腎臓病の腎臓の進行を

抑えるという報告があります

(以下に示しますが、この報告を覆す論文出ています)

引用論文 Chen YP, Hsu CY, Hung DZ, et al. PLoS One. 2018;28(11):1133–39.

1-3| 赤ワインの何がいいのか?

赤ワインに含まれるポリフェノールが心臓や腎臓を保護する効果があります

また、以下のような体にいい作用が見つかっています

  • 抗癌作用(発癌を抑える作用)
  • 抗炎症作用(炎症を抑える作用)
  • 抗糖尿病作用(糖尿病発症予防作用)
  • 抗菌作用(微生物や細菌の増殖を抑制する作用)
  • 抗老化作用(アンチエイジング作用✨)

引用論文 Egert S,  et al. J Nutr. 2010;140(2):278–84. 

1-4| 最新報告;お酒は飲むほど動脈硬化悪化する!

2024年8月20日に出た論文からです

動脈硬化とアルコールの間には正の線形関係が存在することが報告されました

縦軸に動脈硬化指数、横軸はアルコール摂取量を表しています

アルコール摂取量が増えるほど、動脈硬化進行することが示されています

また、ワインでもビールでも少量なら体に良いというエビデンスはないようです

引用論文

Schutte R, et al. Alcohol and arterial stiffness in middle-aged and older adults: Cross-sectional evidence from the UK Biobank study. Alcohol Clin Exp Res (Hoboken) . 2024 Aug 20. [Epub ahead of print]

1-5 |毎日、大量に飲酒する人は腎臓に影響あります

特定健診を受けた日本人30万人のデータよりわかったことです

毎日飲酒し、アルコール消費量が多い人(純アルコール60g ビールロング缶3本、日本酒3合)は

腎機能の低下速度が早いことがわかっています

Yoshiki Kimura , et al. Nutrients 2023, 15(6), 1540 

自分はお酒強いから、たくさん飲んでも大丈夫と思うのは危険⚠️ですよ

お酒の適量とはどれだけ?

答え👉アルコール1日20gまでが推奨量

適度な飲酒であれば、腎機能低下を予防する可能性も示唆されています

2-1| アルコール20gとはどれくらい?

アルコール20gの目安を示しますね👇

ビール中瓶500ml1本
日本酒15%180ml1合
チューハイ7%レギュラー缶1本
焼酎25度100mlコップ半分
ウィスキーダブル60ml1杯

適量とは言っても、

すぐ赤くなる人や、女性・高齢者の場合

アルコールの代謝酵素が少ない可能性があるので

注意しておきましょう

2-2| 危険!「自分はお酒強いとから大丈夫!」の考え方

適量のお酒を飲んで、楽しく過ごすことは問題ないと思います

自分は酒豪だし、多く飲んでも問題ないと思う方はいると思います

でも、それは危険です✖️

✔️こんな患者さん見かけます

二十代から強いお酒を多く飲んでいた結果、若くして高血圧、糖尿病になり、慢性腎臓病になってしまった方みかけます

自分は大丈夫と思い、ついつい飲みたくなる気持ちはよくわかります

しかし、多くお酒を飲むことは多くの病気を引き起こします

飲み過ぎはやめましょう!

2-3| 飲み足りないときはノンアルコールに置き換えましょう♪

どうしても飲み過ぎてしまう方は、まず今飲んでいるお酒の量を半分へ減らしましょう

その後はノンアルコール飲料へ変更を置き換えることを勧めます

例)ビール2缶とワイングラス2杯の方なら

ビール1缶とワイングラス1杯+ノンアルコールにしてみましょう

慢性腎臓病があるが飲み会はやめた方がいいのか?

答え👉やめる必要はないが、飲みすぎない、食べすぎないが大切

年末年始は飲み会がどなたも多くなります。

患者さんのデータは悪くなるのはあるあるです

外来で患者さんに検査結果を見せると

「飲み会があったので・・・」と

よく理由を言われます。

ここからは慢性腎臓病があっても楽しくお酒と付き合うコツをお話しします

3-1| 飲み会に行っても腎臓を悪くせずに済む方法は?

病気を抱えている意識を頭の片隅に置いておく

とは言っても・・・

飲み会楽しみたいし、病気のことなんて忘れていたい

と思いますよね

✔️私が患者さんをみていて感じる印象

自分に甘くなってしまう方は腎機能が悪くなっていく印象があります

反対に、

仕事で会食が多くても、極力気をつけて食事管理をしている方は腎機能が悪くならず維持しています

3-2| 食べ過ぎ注意!腎臓に良くない居酒屋メニュー7選

居酒屋では塩分の多い食事が多くなりがちです.

塩分の多い危険なメニューを挙げました

  1. 唐揚げ、フライドポテト
  2. イカの塩辛
  3. キムチ、漬物類
  4. おでん(練り物と汁要注意)
  5. 焼き鳥 塩もタレも塩分多いです
  6. ほっけの開き干し
  7. シメのラーメンは汁を飲まないこと

食べてはいけないわけではない!取りすぎ注意!!

3-3| お酒は軽食をとりながらゆっくり楽しみましょう

酒好きな方ほどお酒を飲んでる間は

おつまみで、他は何も食べないのではないでしょうか?

「空きっ腹に飲むと酔いが回るのが早い」とよく言いますよね。

軽食をとりながら、ゆっくりお酒を飲むと、血中のアルコール濃度の上がりが抑えられます

3-4| お酒を飲むときは水分も一緒に飲むこと忘れずに

お酒には利尿作用があります

お酒を飲むとトイレに頻繁に行きたくなるのはそのためです

必ず、水分(水やお茶)を一緒に飲みながら脱水にならないようにしましょう

3-5| お酒飲み過ぎ危険!フォシーガ、ジャディアンスを内服中の方

昨今、慢性腎障害の治療薬として処方されている機会が多いのが、

【フォシーガ】や【ジャディアンス】と言った

SGLT2阻害剤と呼ばれる薬剤です

これらの薬剤を内服している方は、飲酒をしていいか

主治医に確認をしましょう

また、飲酒をする場合は水分・炭水化物の摂取も忘れずにしてください

この薬剤とともに水分や食事を摂らず大量飲酒をすると

脱水やケトン体と呼ばれる体に悪影響のある酸が貯まり

体の不調の原因につながります

まとめ

  • アルコールは1日20gまでが推奨量です
  • アルコール自体が腎臓を悪くするエビデンスはありません
  • 大量飲酒を継続していると、後々高血圧、糖尿病、慢性腎臓病のリスクは上がってきます
  • 慢性腎臓病の方は、飲み会で「食べ過ぎない、飲みすぎない」を忘れずに楽しんでください

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