フォシーガやジャディアンスはどんな薬剤かと最新情報お伝えします

治療薬

こんにちは、腎臓専門医yodoと申します

最近、慢性腎臓病治療薬である【フォシーガ】や【ジャディアンス】という薬剤を処方されたという方がおられると思います。私自身、処方機会が増えています。

このブログを読まれている方々はこれらの薬剤を処方され、どんな薬なのかや副作用など気にされているのではないでしょうか。

先日、研究会で勉強する機会がありました。最近わかってきていることを学んできましたので後々話します。

このブログではそのような方に読んでいただきたい内容になっています。

ブログは以下の疑問にお答えします

  1. フォシーガやジャディアンスって処方されたけど、どんな薬?
  2. フォシーやジャディアンスは糖尿病がなくても慢性腎臓病に効果がある?
  3. フォシーがジャディアンスが腎臓にどうして効果がある?
  4. 副作用はない?
  5. ずっと飲み続けるの?
  6. 注意することはある?

まず、質問の答えは以下にお示しします

  1. フォシーガやジャディアンスは糖尿病の治療薬ですが、慢性腎障害の進行を遅らせる効果があります
  2. フォシーがやジャディアンスは腎機能低下を緩やかにします
  3. 腎臓の糸球体の負担を減らすだけでなく、新しい機序もわかってきました
  4. 少ないですがあります
  5. 慢性腎障害の方は内服継続は大切です
  6. 体調不良時、発熱時など主治医に確認しましょう

このブログを読むことで、SG L2T阻害剤に関しての疑問が解消され、より安心して服薬が継続できると思います。

このブログを書いている私の紹介です。

私は腎臓内科医として慢性腎臓病の患者様15年以上診療をしております。腎臓専門医と透析専門医を取得しております。よろしくお願いします。

では、一つづつ説明をしていきます

フォシーガやジャディアンスはSGLT2阻害剤という種類の薬剤です。

もともとは糖尿病の治療薬で、尿から糖分や水、ナトリウムを出すことで、血糖値を下げたり、体重を減らす効果がわかっていました。

その後、慢性腎臓病や心不全の方にも効果があることがわかってきて、今日では慢性腎臓病や心不全の方にも処方されています。

結論;あります
フォシーがやジャディアンスは糖尿病あるなし関わらず、腎機能の低下や透析への移行の確率を改善をさせるデータが出ております

データを載せておきます

文献 Heerspink HJ L, et al.:N Eng L Med.381(15):1436-1446,2020

青いラインはフォシーガ内服チーム

赤いラインは偽薬内服チームです

AやBのグラフを見てください

腎機能の低下や腎機能がステージ5まで至った方、腎臓や心臓の病気で亡くなった方の発症率をみています。

フォシーがを内服していた人では、腎機能の低下などが少ないことが示されています

答え;腎臓の糸球体の負担を減らすことが理由です

そのほか新しいことがわかってきました。

尿細管と呼ばれる糸球体でできた尿が通る、精密機械の様な管があります。フォシーがやジャディアンスがこの管の機能を改善する効果があるようです。

先日の研究会で私自身初めて伺いました。同様の内容は論文でも確認できました J Am Soc Nephrol. 2022 Oct;33(10):1864–1875.

答え;少ないですがあります

多い副作用として、性器の感染症(カンジダ感染症など)があります。

尿糖が出るため、細菌が繁殖しやすい環境になってしまうからです
発生確率は5%未満ですが、もし陰部のかゆみや異常を感じたら医師へ伝えてください

答え;飲み続けていただいた方がいいです

今まで、腎機能の悪化を止めることが困難だった方々にこの薬剤が出てきたことで、腎臓をより長く維持できるようになりました。やめることはせず、継続をして頂いた方がいいです。

中止すると腎機能の低下するスピードが早くなります。


私自身の印象として、腎機能が悪化しているステージG4(eGFR 15~29)の方でも、eGFRが悪くならず横ばいで推移をしています。これまでなら、早々に透析になっていた方々が腎機能を維持できています

実際に論文でもステージ4の方に効果があると提示されていました。

腎機能が悪いから、諦めて内服をやめるのはもったいないです。

J Am Soc Nephrol. 2021 Sep;32(9):2352–2361. 

グラフの説明です。

縦軸が腎機能、横軸は日数です。

点線で書かれているのがフォシーガ内服チーム、実線で書かれているのが偽薬チームです。

点線の方が、右にいくにつれ腎機能は良い傾向になるのがわかります。

結論👉フォシーガ内服チームの方が腎機能悪化が抑えられています

答え;二つあります

  1. 内服して最初だけeGFRが低下をします。その後は悪化のペースは改善します。
  2. 体調不良時は休薬の必要があるかもしれないので主治医に相談をしましょう。具体的なケースは以下の通りです。
  • 発熱時
  • 下痢、嘔吐
  • 熱中症
  • 食欲低下
  • フォシーガやジャディアンスはSGLT2阻害と呼ばれる薬剤ですが、腎臓を保護する効果があります
  • 糖尿病からの腎臓病だけでなく、そのほかの原因で慢性腎臓病になった方にも効果があります
  • 効果がある薬剤のため、内服を中断するのはよくありません
  • 体調が悪い時は医師へ服用を継続していいか相談をしてください

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